小目 - 一間高ガカリ - 一間バサミ

一間高ガカリに対する一間バサミは、最も厳しいハサミです。
一間高ガカリの石にツケを打たれると黒がつながってしまうため、白はそれを防ぐのが基本の考え方です。

基本図とプロの統計値

go pattern searchで検索したところ、
① 三三ツケ(A)
② コスミ(B)
③ 手抜きなど
④ ハサミの石へツケ(C)
⑤ トビオリ(D)
という順番で打たれています。 ここではAとBの手を紹介します。

A:三三ツケ

三三ツケは①隅に根拠を求め、②隅を固めてから左辺を攻撃する意図があります。
実際はハサミの石が近いため、黒も様々な反撃が可能です。
黒はAの受けかBのハネダシが多いです。

Aー1:三三ツケに受け1

ケイマカケに受けたあとは、①カケツギと②二間ビラキで選択肢があります。
この定石は10手目で一段落しますが、その後の手も載せています。
黒が両方とっているようにも見えますが、白はしっかり生きており、中央に向け厚いため互角。

Aー1:三三ツケに受け2

(左図)
7手目で二間ビラキという手もあります。
黒は右辺を1手で済ませ、上辺の石への負担を軽くする意図。
この場合、 Aのオキが白の狙いとなります。
(右図)
白の後続は色々ありますが、7のケイマがよく打たれます。
黒が上辺を8と受けたら9から17までで、白が勢力を、黒は地を手に入れる形。
ただしこの形は、 白のシチョウ有利が条件
白がシチョウ不利な場合は、コスミ(7の右)で妥協することとなる。

Aー2:三三ツケにハネダシ1

三三ツケにハネダシは一見厳しい形に見えますが、基本的に形は決まります。
13手目で黒石をカカエれば、16手目まで基本定石。

Aー2:三三ツケにハネダシ2

白シチョウ有利が前提ですが、上図13手目で2石の取りを拒否する方法もあります。
隅を取らない分、基本的に白は外勢を取る流れになります。
# 基本図
# Aの場合
# Bの場合

B:コスミ

コスミは、両方を狙った手です。受け方の選択肢は黒に譲っています。
黒は右辺を受ける手(A,B)を打つことが多いです。

Bー1:コスミー二間ウケ

コスミに対して二間ウケは素直な手です。
白は隅を求めるならAの三三ツケを、上辺を攻めるならBのカケを選ぶことになります。

Bー1ー1:コスミー二間受けー三三ツケ

三三ツケにはハネダシをするかしないかで分岐があります。
ハネダシの方が厳しい手の分、形は決まりやすい。

【左図・ハネダシなし】
ハネダシなしの場合は「Aー1:三三ツケに受け1」の形と同様の形になります。

【右図・ハネダシあり】
ハネダシありの場合は10手目まで白失敗に見えますが、11手目が手筋で、13まで二間受けの手を制して互角。

Bー1ー2:コスミー二間受けーケイマカケ

ケイマカケは中央を厚くする意図で打たれます。 8手目はここが手筋で、Aだとデギリが狙いにくい上に、8のオキを逆に狙われてしまいます。

Bー2:コスミーコスミ

上のコスミに対し、下のコスミ。
ワタリをチラつかせつつ、ちゃっかり両辺を取る。
10手目までで互角。後にAのハネなどを残す。

Bー3:コスミー下ツケ

コスミは下ツケのワタリを阻止したものですが、あえての下ツケ。
下ツケを打つことで、結果的に隅の地を得ることができます。互角。

C:ツケ

ツケの場合、小ゲイマガカリの一間バサミ定石と似た感じになります。
【左図】
ツケノビに対し、6手目のアオリ、7手目のツケながら断点を守るのは筋。
その後上辺の石を攻め、互角。

【右図】
定石その後。1のツケは利かし。打たないと、4手目のトビサガリが気持ちのよい利かしとなる。
6手目でツギは形が悪いため、上辺に代わりを求める。13手目まで互角。

D:トビオリ

トビオリは、明確に黒石の断絶を図る手。
黒は冷静にケイマに受け、右辺か左辺かを選択する。
【左図】
6手目で右辺を選んだ場合の手

【右図】
6手目で上辺を選んだ場合の手。11のツケコシが手筋で、白は隅を手に入れる。

入門者(15級まで)のための定石
その他